今震災の被害を受けた土地についての
評価の仕方が混乱しています。
通常の土地取引は、売りたい人と買いたい人の
利害関係の一致で値段は成立します。
しかし相続税や固定資産税などの
公的な土地の評価については、
売り買いが無くても、評価をしなければ
ならないからです。
売り買いが無いので、実際にどのぐらいの
価格が妥当かが非常に難しい所です。
今回は、津波や液状化、地割れなど様々な被害が
あり、それぞれの土地で状況が異なります。
その評価の仕方について
ある程度の基準となっていくのが
先日紹介した資産評価システム研究センターが公開した
「土地に関する調査研究」です。
それによると震災と受けた土地は
・地域全体の被害
・個別的な被害
で分類して考えましょうということです。
そして「地域全体の被害」はさらに
・復旧減価
・復興減価
で区分して考えます。
なお、「復興減価」とは、
:都市インフラが震災以前の状態に復元される状態までに
どれだけの費用がかかるなどの減価をいいます。
水道、下水道を元の状態にまで戻す減価の割合をいいます。
また「復興減価」とは
:都市のインフラが回復しても人や物が震災前の状態に
ならないと元の状態には戻りません。
そのため長い時間を掛けて、
建物などの街並みが元の状態に戻るまでの減価の割合をいいます。
でも「津波などの被害を受けた地域にはもう住みたくない!」
という方もいるので、そのような方が多いと
人々もその地域に戻ってくる割合も低くなりますよね。
今回液状化の被害に遭った方も、
「もうココには住みたくない!」という方もいます。
このマイナスな気持ちを専門用語で「心理的嫌悪感(スティグマ)」
といいます。
そんな気持ちが大きいと減価の割合も大きくなります。
あと「減価」って言葉も理解できるようで、わからない言葉ですよね。
ぶっちゃけいうと、震災前と比べて、価値がどれぐらい落ちるのか
という割合です。
もう価値がほとんど無いよ~という地域であれば、
減価の割合は、90%にも及ぶかもしれません。
つまり土地の価値は、震災前の10%になるわけです。
でも税金などの公的な価格の場合には、
「だいたいで決めました」というのは納得を得られません。
そのため、このような根拠付をすることが必要なんですよね。
まとめると、
震災後の土地の価値=地域全体の被害─復旧減価
│ └復興減価
└個別的な被害
ということです。